ここのところSDGsと色々な業界から言われていますが、建設業でもSDGsがあるのがご存じですか?
そもそも『SDGs』とは??
SDGs:持続可能な開発目標
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載されている、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
建設業においても地域の人々が安心して暮らせるよう、住環境・街作り・インフラ・省エネ・環境保護等に取り組んでいます。建設業とは非常にマッチしている理念なのです。
具体的にSDGsの17のゴールに達成到達するために、建設業として以下のような例があります。
ゴール | 目 標 | 建設業ができること |
貧困をなくそう | あらゆる場所・形態の貧困に終止符を打つ | 適正な人事評価と適正な賃金の支払い |
飢餓をゼロ | 飢餓に終止符・食料の安定確保と栄養状態の改善を達成し持続可能な農業を推進する | 子ども食堂の運営、低価格の社員食堂の運営 |
全ての人に健康と福祉 | あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する | 日雇い労働者も含め、すべての労働者に健康診断を受信させる |
質の高い教育をみんなに | すべての人に包括的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する | 新入社員への技術教育、子どもへの大工教室 |
ジェンダー平等を実現しよう | ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る | 男性の育児休暇、介護休暇の取得、女性役員比率の増加 |
安全な水とトイレを世界中に | すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する | 作業現場での男女別のトイレ確保 |
エネルギーをみんなに そしてクリーンに | すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する | 太陽光発電の促進、自然エネルギー導入の促進 |
働きがいも経済成長も | すべての人のための持続的、包括的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を促進する | 性別・年齢にとらわれない雇用促進 |
産業と技術革新の基盤をつくろう | 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る | 耐震技術の向上、土砂崩れ等防止対策 |
人や国の不平等をなくそう | 国内および国家間の格差を是正する | 男女・年齢・学歴不平等制度の廃止 |
住み続けられるまちづくりを | 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする | 災害に強い住宅、省エネルギー住宅の建設 |
つくる責任つかう責任 | 持続可能な消費と生産のパターンを確保する | 100年住み続けられる家づくり、古民家再生 |
気候変動に具体的な対策を | 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る | 災害対策のための技術向上 |
海の豊かさを守ろう | 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する | 海岸線のごみ拾い、プラスチック製品の削減 |
陸の豊かさを守ろう | 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の促進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止及び逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る | 植樹、地産地消による建材確保、ビオトープ整備 |
平和と公正をすべての人に | 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する | 無理な地上げ、強引な開発の見直し、コンプライアンス意識の促進 |
パートナーシップで目標を達成しよう | 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する | 1社だけではなく地域が一体となって取り組む |
なぜコストもかかり、義務でもない事を企業は行うのか?それは以下の事に起因します。
①企業イメージによる人材確保
世界的な取り組みを行っているということで、社会的責任・企業イメージ・ブランディング・先進的といった具合にその企業のイメージや価値があがり優秀な人材も集まりやすくなると思われます。
②持続可能なコストカット
環境負荷削減のために、資源や廃棄物の使用量削減・省エネを積極的に行うことで、部材廃棄コストやエネルギー使用料金を削減することが可能。
③ビジネスチャンス
飢餓や貧困をはじめ世界が直面している問題を解決するために新規事業へ参入・新製品・新サービスの開発を検討し、今まで以上の売上・利益を生み出すことが可能
SDGsは数ある産業の中でも特に建設業は同時に目標を達成できる産業なのです。色々な産業が閉塞感を抱えている昨今、SDGsを意識した経営を目指すことで、事業・産業そのもの活性化が望めるのです。