くしくも世の中は新型ウイルスにより「在宅ワーク」「Zoom会議」「チャットワーク」等のITプラットフォームを活用し、事業の滞りを回避すべく進んだ数か月でした。
「禍を転じて福と為す」なのか「企業努力」なのか?
IT技術のお陰で、リモートで業務の遂行が可能となった事が明白となった現代社会における事業活動!今後の事業活動に確実に変化を起こしますね、実際に大手企業(海外)では「リモートワーク(希望者)」のみで事業を継続できる仕組みをいち早く発表した企業もありました。
残念ながら日本ではまだですかね…
さて、建設業界にもITの波が来ると言われています、というかITの活用を促進させるといった表現が正しいですね。そのIT化の実現が可能かどうかは別として、昨今言われている「働き方改革」と相まって業界団体始め国も一丸となって進めようとしています。
具体的には以下の事柄(主要抜粋)
①36協定による残業時間の上限
②週休2日制の導入
③発注者に適正な工期設定の推進
④建設キャリアアップシステムで技能や経験にふさわしい給与を実現
⑤社会保険への加入
⑥IT化を促進する企業を支援
出典:国土交通省「建設業働き方改革加速化プログラム」
https://www.mlit.go.jp/common/001226489.pdf
まずは「36協定」ですね、いわゆる労働時間と時間外労働です。現在は自主性に任されていますが2024年から実施となります。
≪残業の上限≫
・1ヶ月:45時間
・1年間:360時間(完全義務化)※特別な事情がある場合は年間720時間まで延長
≪違反した場合≫
・事業者
・残業を命じた上司
が罰則対象となります。う~ん建設業は工期や納期の問題もあり一筋縄ではいかないのは予想がつきますよね。
週休2日も①と関係してきますが、工期や納期の問題でそう簡単には行かない事項ですね。
そもそも論ですが、この工期の設定がタイトであるからこそ①②が現実不可能と思われる事態に陥る原因ですが…
実はそう単純ではなく受注側にも原因があります。受注するべく工期と相まってダンピングといった要素が絡んでくるのが実態です。
そのために国は「適正な工期設定等のためのガイドライン」の導入推進をしています。
出典:国土交通省より
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001304533.pdf
建設キャリアップとは「社内評価」だけではなく、建設業界の技術者統一の評価制度です。この評価制度を設けることにより
・現場での経験
・スキル
・資格
がデータ化され技術者の評価が可視化され、評価を受けている技術者は転職する際等に正しく評価を受けられることになります。
もはや現代社会におけいては必須というべき事業者側の福利厚生のひとつです。ですが社会保険と言っても、その保険料を事業者が負担をするのはそう簡単ではありません。
社会保険加入の為に会社が破城してしまうことだって珍しくはありません。確かに社会保険を完備していれば最近言われている若者にもアピールできるかもしれませんが、社会保険料の負担で破城してしまっては本末転倒です。
この社会保険の加入もしかるべき国からの補助なり何かしらのフォローがないと難しいですね。
冒頭にも書きましたが、このIT化が今後建設業界を大きく変えるかもしれない要素になります。
建設業に限ったことではありませんが、未だに連絡はFAX、メールは使ったこともありませんという業界だってあります。
ですが現在大手のゼネコンなどはいち早くIT化(IoT技術)を進めていますよね。
・ドローンによる測量
・施工ロボット(AI)
・BIM等※1
※1 BIMとはBuilding Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)は、建物のライフサイクルにおいてそのデータを構築管理するための工程である。典型的には、3次元のリアルタイムでダイナミックなモデリングソフトウェアを使用して建物設計および建設の生産性を向上させる。この工程でBIMデータを作成し、そこには建物形状、空間関係、地理情報、建物部材の数量や特性が含まれる。
・タブレット
・ペーパーレス
・ウエアラブルカメラ
etc
上記のようなツールも使い、より生産性の向上へ向けて促進を図っている現状です。
どれか一つだけでもダメですが、IT化等の促進が①~⑤を解決へ導くかもしれません。
IT化で言えば発展途上の建設業界ですが、もしこのIT化が進むことにより「働き方改革」のすべてが解決できればと思います。
もちろんそのIT化はまだ大手しか着手できていないのが現実で、中小零細事業者にとっては高いハードルがあるのも事実です。
ここは国がやはり、助成金なり補助なりでどんどん進めるべきかと!